ともまる カナダでの生活
カナダでの生活 中編:9
17. カナディアンロッキーの街Banffへ
ファームステイしてたネルソンの家は3ヶ月とちょっと居たことになる。
次はスキーのできる所に行くと決めてた。まあ、コレがカナダに来た理由の一つだから当たり前だ。
ウイスラー/ブラッコムはメジャー過ぎて性に合わない。ネルソンにはホワイトウォーターっていうスキー場があったんだが、あまりにもマイナー。バックカントリーは相当面白いと言う話だったんだけれど・・・。前に旅行で行ったことのあるバンフはとてもいい街でそこそこ人もいるからいいかなー、と。バンフ近辺にはスキー場が3つもあるっていうし。なんといっても雪質の良さとカナディアンロッキーに引かれたんだろうね。11月に移ってすぐに家を決めました。アパートを3人でシェア。これがあとあと大変なことになるんだが。
住むところが決まってしまえば、あとは雪を待つのみ。早速レイクルイーズ(Lake Louise)スキー場のシーズンパス(バスパス付き)を購入。サンシャイン(Snnshine)と迷ったんだけれど、友達がレイク(地元ではこう呼ばれている)を推薦したので。これは正解だったと思う。バンフからはバスで40分くらいで、単独ではカナダ最大のスキー場で、雪質は抜群。また、山頂付近から見える景色は、もうヤバいの一言。晴れていれば3000m級の山並みに囲まれ、眼下にはスキー場の名前にもなっているレイク・ルイーズが美しい。
スキー場での一日を軽く紹介しておこうか。
まずは、リフトに乗る(当たり前だ)。当時は確か、二本乗り継ぐと山頂付近まで行けた(今はゴンドラがあります)。そこで軽く足慣らしのTop of the worldからJバー横、J乗り場へ。このJバー、乗るのは結構コツがいる。これを乗りこなせればレイク中級者。登ったらバックに回ってホワイトホーン(Whiteworn)へ。ここはパウダー率高くて斜度もそこそこだから楽しめる。たまに岩が出てるのでそれだけ要注意。
パラダイス(Paradicse)リフトに乗るとリフト下にはコブコブの一枚バーンが現れる。こいつをやっつけるのもいいが、逆サイドのセブン(Big7)がまたいい。さらにターミガン(Ptarmigan)上がってからのツリーラン。イーグル下は体力が残っていれば行くけど、その少し脇っちょのツリーランも悪くない。
そしてバックの癒し系、ラーチ(Larch)へ。ラーチはちょうど良い斜度と広いバーンが気持ちいい。そして何と言っても、その視界の広がりは最高!ここから眺めるカナディアンロッキーが好きでよく行っていた気がする。
いやあ、こう書いてみると息もつかせぬ展開やなあ。これでレイクの半分を簡単に紹介した程度だから、その広さとコースの楽しさは半端ない。もう毎日のテンションの高さは説明不要だ。当然スキー三昧。まさにスキーバム。スキーしてる以外は食べてるか寝てるか。
いや、まてまて、土日は仕事もしてたんだった。
町の両替所でバイト。部屋代の足しくらいにはなってた気がする。このバイトでイギリス人が「ラブリー」を連呼する人種で、アメリカ人が男にもウインクする奴らだという事が分かった。
18. ケガをする
そんなスキーバムっぷりも元旦のスキー場でうち砕かれる。
夕方、カチンコチンの青氷上でのこと。左膝ちょっとひねって転んだだけだったのになー。その日の夜から歩けない状態に。
次の日病院直行で、
「左膝内足靱帯損傷につき、1ヶ月安静」
の指令。
まいった。まいっちまったね。膝は装具で固められてるし少しでも曲げると痛いし。かといって家でやることはないし。もちろん外は氷点下数十度。
しばらくは本当に安静にしてた。少し歩けるようになって、あまりにも暇だったので、家にあった料理本を1ページ目から作り倒した。
ケガから3週間目くらいからリハビリでプールに行ったりした。スキー場が恋しくて、スキーを持たずにスキーバスに乗って、レイクのレストランでお昼だけ食べて帰って来た事もあったっけ。
そして2月の上旬、やっとの思いでゲレンデに。
最初は怖くてねー。ボーゲンさえできなかったよ。初心者コースからのこれまたリハビリ。リフトにも乗れないから、動く歩道みたいなのに乗っかる超初心者コースから。リフト係のねえちゃんに、「あんたどうしてこんなところ滑るの?」と聞かれ、「膝のケガ」と答えるのも結構つらかったなあ。
それでも痛くない怖くないと分かって来ると、徐々に滑りは戻るもんだ。
一週間もすればもうバックボウルも行っちゃう感じになった。1ヶ月のブランクが、更にスキーバムへの道を深めていく。コブにパウダーにツリーランにと、やりたい放題。レイクの隅々まで滑り尽くす勢いだったなあ。