ともまる カナダでの生活
カナダでの生活 後編:11
またまた長らくお待たせしました。
いよいよフィナーレ、今度こそカナダワーホリ旅行記終わらせます!
それでは行ってみよー。
21. スキー場巡りの旅
カナダの年末年始は、日本ほどには盛り上がらない。
紅白歌合戦もないし、ゆく年くる年もないし、さだまさしのおしゃべりもない。
年明けからのお雑煮、おせち、お年玉、初詣、ああ、日本の正月は楽しいこと目白押しなのに、カナダはなんにもない。
あるのはnew years eve夜のカウントダウンイベントくらいか。
キリスト教の国のお祭りはクリスマスで全部使い果たすんだな、きっと。
さて、そんな年末年始も関係なく、オレはやっぱりスキー三昧の毎日。そろそろスキー靴からスキー板までが自分の足みたいな感覚になってきた頃、スキーバム仲間と、なんか違うスキー場でも行ってみる?みたいな話になって、じゃあということで行ったスキー場がキッキングホース(kicking horse)。
ここバンフからバスで2時間弱で行ける、こじんまりとしたスキー場。
でも、これが、良かった!ゴンドラ一本でパウダー三昧!どこもかしこもパウダー!まあ、日が良かったってのもあるけど、とにかく一日遊びくり。
たまにはレイク以外のスキー場も悪くないな、と思ってしまったから大変。
この後、スキー場巡りの旅に出ることになる。
スキー場巡り計画、以前お世話になったBC州ネルソンという町の近くに、確かホワイトウオーター(white water)っていうスキー場があったなと思い出し、ここをターゲットにルートを考えてみる。
まずは馴染みのネルソンに行って、そこからバンフに戻ってくる途中にあるスキー場に寄って来るかな、みんながおススメというファーニー(farnie)もあるし。
よし、じゃあバスで行っちゃおう。
カナダでイチバン簡単で安い長距離移動手段はバス。
遅れたり故障したりするけれど、バスがイチバン。
バスディーポでチケットを予約しようとしたら、なんか様子がおかしい。
どうもネルソンへのルートは何個かあって、往復だと買えないだか割高だかと言って売ってくれない。
もう、いいわ。片道でいい。帰りは向こうで買う。
ということで片道切符の旅、始まり始まり。
あ、先に言っとくけどね、これ、スキー場巡りって書いてるけど実は違います。スキー場は巡ったけれど、そっちがメインじゃないと思う。乞うご期待。
さてさて、もうね、あっという間にネルソンに着くわけだよ。
移動距離約500kmなんてカナダではちょっとそこまでだ(以前のカナダ横断の時の移動距離は片道約5,000km!)。
スキーとそれにまつわる荷物を背負って、前回も泊まったユースホステルへ直行。
そういや、バスディーポからネルソンの街までが遠かったっけ。
今回はもう勝手知ったる町だ、オレの庭だ。少しくらい遠くても、大丈夫。
歩く、しかも上り坂を、スキー板背負って。
それにしてもなんか雪少ないなあ、街中だしこんなもんかな?と思ってた。
そんで次の日、ユースのフロントで「ホワイトウオーター、今年雪少なかったからもうやってないよ」って、え?マジすか?それ目的でここまで来たのに、マジすか!何しに来たんだかさっぱり分からん。
どうしてくれんだよホワイトウオーター!もう!と思っていると、フロントのお姉さんが「レッドマウンテン(red mountain)ならやってるよ」と。
オッケー、そこ、行く。
確かバスで行ったのかな?スキー場がショボ過ぎて(失礼!)覚えてない。
リフトの座席が木だったってことは鮮明に記憶してるんだけど、どんなスキー場だったかが思い出せないんだよ。
とにかく、レッドマウンテン、ホワイトじゃなくレッドで滑ったことだけ覚えてる。
目的のスキー場がやってないんならもうこの町に用はない。
移動じゃ移動。
でもバスのチケットがないなあ。
めんどくさいなあ、と思っていたら、やっぱり昨日のフロント姉さんが「じゃあ、ヒッチハイクじゃない?」とおもむろに段ボールとペンを渡してくる。
そうそうヒッチハイクには行き先を書くボードという名の段ボールが必要だ。
でも、こんなスキー板とでかい荷物背負ってヒッチハイクできるかね?乗せてくれるもんかね?「大丈夫、グッドラック」と姉さん。
果たして復路はヒッチハイクで向かうことに。
とりあえず今日中に次の目的地ファーニー(300km強)まで行きたいなあと、朝から親指一本で車を止めにかかる。
そうね、30分もやってると一台くらい止まってくれて、行き先確認、じゃ途中までだけど乗ってく?みたいな感じで3台ほど乗り継いで、夕方にはファーニーに居た!
意外と行けるもんだな。天気も良かったし。
ファーニーは、いいスキー場だったね、ってそんだけ?そう、そんだけしか覚えてないだよ。
あとは、すっ転んで危うく木に激突しかけたってくらいかな。
スキー場広かったし、キレイなレストハウスもあったけど、これならレイクの方がいいかなって感じだったと思う。
それよりも、ファーニーのユースで同じ部屋になった奴が昨日の宿でも一緒だったから、嬉しくなって二人で飲みに行ったことの方が楽しかったかも。
結局ファーニーは二日間滑った。
そんで次のスキー場どうしようかなと思ったけど、なんかレイクが恋しい。
オレはレイクルイーズがやっぱ好きだと再認識したので、帰ることにした。
そう、そして今日もヒッチハイク。
地図で見るとカルガリー経由なんだな。
カルガリーまで行けばバンフまでのバスがいっぱいあるはず。
ってことで約300kmの道のりをまた親指一本で行くことに。
今日は天気が悪い、つまり寒い。雪も降って来た。
ヒッチハイクには向かないなあと思ってたら、一台の車が止まって、何かを手渡してくれる。
これはなんだ?この派手なパッケージに入ったペンみたいなものは?英語の説明には、ふんふん、暗くなったらこれを折って光らせろ、と。
親切な人もいるもんだなあ、でも暗くなるまでこんなことやってたら死ぬな、きっと、寒くて。
だから結構必死だった。
あのね、カナダのハイウエイの分岐とかってね、広いしガードレールないし車速いし、ちょっと親指だけじゃ止まってくれなそうだったんだよね。
そんなとこで寒い上に雪の中パンかじりながら立ってると、ああ、このまま帰れなかったらその辺りの民家(っていっても遠くに見える明かり)に助けてもらうしかないな、と真剣に考える。
ふと一台のトラックが50mくらい先で止まる。
トラックじゃないな、トレーラー。運転席から手招き!よっしゃ、キタ!助かった!走って行って飛び乗る。
ドライバーはネイティブカナディアン(原住民)風の気さくな人。
英語が分かりにくいというより運転席と助手席の間が広すぎてよく聞こえないくらい馬鹿でかいトレーラーだ。
「パンパースをカルガリーまで運んでるんだぜ」と言う。
こんなトレーラー一生乗ることないかもな。と感傷に浸っていると遠くにカルガリーのビル群が見えて来た。
ああ、無事生還した・・・とホントに思った。