富山の専業米農家 濱田ファーム〈減農薬米 コシヒカリ〉

タンボマスターへの道

富山県黒部市の小さな専業農家・濱田ファームが
黒部川の清流で育った美味しいお米を直接お届けします。

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タンボマスターへの裏道

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ボインでもダメ、ナインでもダメ、はと胸がいいの♡

2015年4月6日 3:42 PM

こんにちは!
富山県黒部市の専業米農家・濱田ファームです。

さぁー、
春の農作業もいよいよ忙しさに拍車がかかってきましたよー。
今週は1回目の播種(はしゅ=種まき)もあるので、
ともまるは頭を振り乱してその準備に追われています!

と、その前に、
育苗(いくびょう=稲の苗を育てる作業)の工程のおさらいから。

1:選別
2:小分け
3:消毒
4:浸種
5:催芽
6:風乾
7:播種
8:ハウスへの苗出し
9:出芽
10:苗をならべる
11:潅水と温度管理

4:浸種が終わり、
今日は5:催芽の様子です。

上の写真だけ見ても、
何だか作業所に機械がポツンと置かれているだけで、
絵的にかなり地味です(笑)。
しかも夜中に撮った写真なので暗い雰囲気が漂っています(笑)。

催芽(さいが)とは、
種籾を温かい水にしばらくつけておいて、
芽を揃える事。

コシヒカリは、
芽が出づらい品種なので、
ここでしっかりと芽を揃える事が重要なんだそうです。

上の写真の農機具が催芽機。
「ファミリー催芽機」という名前がついていますが、
何がどうファミリーなのかは謎です。
ファミリー向けでない事だけは確かだと思います。

この農機具も他の農機具同様、
この催芽の為だけにある農機具なので、
1年に1回(正確にはこの後もう1回使うので2回ですが)、
この時期にしか使いません。
もう本当にこれ、
どうにかならないんでしょうか。

今どきのホームベーカリーなんて、
パンを焼くだけでなく餅までつけちゃうんだから、
催芽機にだって、
例えば温湯消毒くらいできるようにしてくれたらいいのにって思うんですが、
難しいんでしょうかねぇ。

昔はこの作業をお風呂でやっていた時代もあったそうです。
その日一日はお風呂には入れなかったと聞きます。
今やそんな専業農家の方は少ないと思いますが、
1回のお風呂代にしてはかなり高価な農機具なのは間違いありません。

がしかし、
お風呂代以上の働きは当然してくれます。
してくれなきゃ困るけど。

こんな風に、
催芽に適した温水(30℃)がくるくると循環して
水温が下がったり上がったりしないよう、
一定の温度に保ってくれます。

催芽は、
温度管理がとにかく大事なんだとか。

こんな風に、
ぷっくりと種が膨らんで、
芽が1mm程度に揃ったらOK!

これを、
はと胸の状態というそうで、
ボインでもナインでもダメなんだそう。
って、
ボインとかナインとかって死語ですよね・・・(苦笑)。
いえ、
私もそんな言葉はさすがに使いませんよー。

ボインかナインかはともかく、
毎年同じ事をやってるんだから、
毎年同じ時間温水につけてればいいような気がしますが、
その年の種籾の状態によって、
温水につけている時間がけっこう変わるみたい。

だから、
何回も何回も種籾を確認して、
ボインでもなくニアンでもなく、
はと胸の状態にします。

今年は、
うん、いい感じ。

では次は、
6:風乾ですよ~。

種籾の浸種

2015年4月3日 3:02 PM

こんにちは!
富山県黒部市の専業米農家・濱田ファームです。

今日の黒部は、
朝から暴風が吹き荒れてましたー。
ビニールハウスが壊れないかどうかヒヤヒヤしたくらい。

今は、
風は収まり雨がシトシト降っています。

さて、
お伝えしている育苗(いくびょう=稲の苗を育てる作業)の行程、

1:選別
2:小分け
3:消毒
4:浸種
5:催芽
6:風乾
7:播種
8:ハウスへの苗出し
9:出芽
10:苗をならべる
11:潅水と温度管理

も、
今は4:の浸種のところまで来ています。
浸種(しんしゅ)、
つまり種を水にひたす作業。

浸種には大量の水を使うので、
毎朝、朝食前に水をくみに行くのが、
最近の日課。

水は、
自噴している井戸水からくみ上げています。

この辺りは、
いたる所から水がコンコンと湧き出てくる水の豊富なエリア。
北アルプスからの雪解け水が、
黒部川扇状地の地下を巡り巡って、
ちょうどこの辺りで湧いてくるんです。

濱田ファームでは、
ビニールハウスの脇に1つ、
そして作業所内に2つ、
井戸を備えています。

作業所の井戸はちょっと水量が少ないので、
浸種用の水はいつもハウス脇の井戸からくみ上げています。

濱田ファームのお米は、
育苗期間中は全て!
このミネラルたっぷりの自噴水を使っています!!

浸種で使う水はもちろん、
苗に与える水も、
ぜ~んぶ自噴水!!

さっ、
たっぷりお水が入りましたよ~。

この日は、
ビニールハウス周辺、
田んぼ一面が濃い霧に覆われていて、
それはそれは幻想的でした。

作業所に戻ってきて、
種籾を水に浸します。

こうして水に浸して、
積算温度(水温×日数)が100℃くらいになるまで、
だいたい1週間くらいでしょうか。

自噴水は、
冬でも夏でも水温はだいたい13℃くらい。

種を水に浸して、
種籾にしっかり吸水させると、
発芽のための生理活性がそろうんだそうです。

さて、
そろそろ5:催芽です!

種籾の消毒

2015年4月2日 2:23 PM

こんにちは!
富山県黒部市の専業米農家・濱田ファームです。

昨日は肌寒い雨、
今日は暖かい晴れ、
そして明日はまた雨、
さらに週末は27℃近くまで上がる予報とかで、
こころも身体も天気についていけない日々です。

でも逆に、
ついていこうとせず、
天気予報を見ないくらいの無頓着な方がいいのかもしれません。

とはいえ、
農作業は天気に大きく左右されたりするので、
実際には無頓着どころか、
常に携帯のアプリで天気予報や気温を確認しています。

特に、
育苗(いくびょう:稲の苗を育てる作業)ではこの先、
ビニールハウスの中での苗の管理が待っていますが、
これには絶対に天気の確認が怠れません。
天気だけでなく、
日差しの強さや風の向き・強さにも常に注意を払う必要があります。

今はまだその前段階、
種籾(たねもみ=稲の種)を消毒して水に浸しているところ。

1:選別
2:小分け
3:消毒
4:浸種
5:催芽
6:風乾
7:播種
8:ハウスへの苗出し
9:出芽
10:苗をならべる
11:潅水と温度管理

上記の育苗の工程の、
3と4のところで、
まだまだこの先長い道のりが待ち構えています!

今日は、
まだお伝えしていなかった3:消毒について、
詳しくご紹介していきましょう。

消毒には、
農薬で消毒する方法と温湯で消毒する方法と、
2種類あります。

濱田ファームでは、
他の農家さんへ販売する苗については、
奨励されている農薬で消毒しますが、
直売用のお米の苗は、
農薬を使わずに温湯でしています。

今日はまずは、
温湯消毒の方からご紹介していきましょう。

特に難しい説明は必要ないんですが(笑)、
ご覧のとおり、
種籾を温湯にドボンとつけるだけ。
以上です(笑)!

とはいえ、
時間をきっちり守らないと、
種が茹で上がっちゃうので注意はもちろん必要。
コシヒカリの場合は、
60℃という結構アッチアチのお湯に10分。

これが、
コシヒカリにとって、
茹で上がる事もなく、
しっかりと消毒してくれる温度と時間なのです。

時間はタイマーで何とかなりますが、
何ともならないのがお湯の温度。
何度も何度も冷たい種もみを浸すので、
お湯を一定の温度に保つのはなかなか至難の業。

でも上の写真のような、
温湯消毒をする為の専用の農機具があれば問題なし!

温芽(ゆめ)工房という、
農機具にありがちな名前がついていますが、
名前とは裏腹に、
しっかり働いてくれるんです!

問題があるとすれば、
この時期にこの1回だけしか使わないのに、
価格がもんのすごく高いという事でしょうか・・・。

というわけで、
MHKがモットーの我が家は、
これをKして対応しています。

※MHKとは、
M:もらう
H:ひろう
K:かりる
の事。
ともまるはMHK友の会の会長です。
ちなみに仮想の会です。

10分たったら、
お湯から種もみを取り出して、

今度は冷たいお水の中へチャプン。

軽くモミモミして、
中の種籾までしっかりと冷やします。

そしてそのまま、
4:浸種の工程へ。

その様子はまた後日お伝えしますね★

種もみの小分け~

2015年3月26日 3:17 PM

こんにちは!
富山県黒部市の専業米農家・濱田ファームです。

つい先日のなごり雪が嘘のように、
今日は晴れてくっきりと山も見えています。
まさに農作業日和!

ですが、
今日も作業所にこもって育苗作業です。

育苗(いくびょう)とは、
田植えの時に植えるあの苗を育てる作業。
5月中旬の田植えの日にあわせて、
この時期から準備しているんですよ~。

しかも休みなく!
約1カ月半!!
そんな、
長くて辛い(?)育苗作業の行程は、
以下の通り。

1:選別
2:小分け
3:消毒
4:浸種
5:催芽
6:風乾
7:播種
8:ハウスへの苗出し
9:出芽
10:苗をならべる
11:潅水と温度管理

今日は、
2:小分けの様子をお伝えします!

偉そうに工程の1つに加えていますが、
文字通り種籾(たねもみ)を小分けにしているだけなんですけどね・・・(笑)。

ハンドリングしやすいよう、
そしてこの後の工程で播種量を計算しやすいよう、
だいたい5kgに分けていきます。

って、
サラッと書いちゃいましたが、
一般の方には播種量?
何それ??
だいいち読めないし!
という方が多いと思います。

播種量(はしゅりょう)とは、
苗箱(なえばこ)と呼ばれる長方形の箱にまく、
種籾の量の事です。
1枚の箱に、
黒部市の標準だと120グラムほどの種籾をまくんですが、
これを播種量といいます。

播種量は地域によって農家によってかなり差があり、
一概に多ければ悪い少なければ良い、
という単純なものではない気がします。

まぁ、これこそ、
長年の勘がものを言いそうなんですが、
何せうちは新米農家。
毎年少しづつ量を変えては、
うちにあった一番の量を模索し続けています。

底に穴をあけたバケツに網をセットして、
種籾を量りとり、
バケツを持ち上げればザザザーと種籾が網に入っていく仕組み。

あとはクルリと縛ればオッケー。

小分けされた種籾が山積み状態。
これでハンドリングがよくなりました!
3:消毒の工程へ。

と、
今日はここまで。
そして明日はちょっと育苗作業のご紹介をお休みして、
1つケーブルテレビの取材の様子をお伝えして、
あとはまだマルシェレポートもあげてませんでしたね、
そうそう、
既にトラクター作業も始まっています、
あぁ、
ネタが満載でブログが追いつかない。

のですが、
1つ1つまた改めて更新していきたいと思います!

育苗スタート!

2015年3月25日 9:51 AM

こんにちは!
富山県黒部市の専業米農家・濱田ファームです。

週末の、
東京でのマルシェ・ファーマーズマーケットはお天気にも恵まれ、
本当にたくさんの方に遊びに来ていただきました。
あまりにも多くの方に来ていただいて、
私たちの至らないところが多々あったと思います。
お話しする時間が十分にとれない事もありました。
せっかく遊びに来ていただいたのに、
本当に申し訳ありません!!

またこれに懲りずに、
新米の収穫後の10月以降になりますが、
マルシェ・ファーマーズマーケットでお会いできたら嬉しいです!

さてそのレポートはまた改めて後日アップしたいと思いますが、
東京から戻ってきて、
なごり雪というにはあまりにも激しい雪が降る中、
いよいよ今年の育苗作業が始まりましたので、
まずはそれからお伝えしたいと思います。

育苗(いくびょう)とは、
稲の苗を育てる作業の事。

田植えの時に田植え機で植えていくあの苗は、
突然降ってわいてくるわけでも、
ホームセンターで野菜苗と一緒に販売されているわけでもなく、
1か月以上の長い期間をかけて育てているんです。

当たり前と言えば当たり前なんですが、
育苗作業はあまり一般の方には知られていないような気がします。
そこで、
このブログではこの先1カ月以上かけて、
じっくり&ゆっくり、
そしてなるべくわかりやすい言葉で、
育苗とは何ぞや、
という事をお伝えしていきますよ~★


※写真は去年のものを使っています。

まずは、
稲の種の事から。

稲は植物なので、
当然、種から芽が出て育っていきます。
では稲の種、
皆さんはご覧になった事はありますか???

この袋の中に、
稲の種、通称、種籾(たねもみ)が入っているんですが、
この種籾、
富山県産(しかも黒部産)です。

実は富山県は、
全国一の種籾産地。
富山県の種籾が全国に出荷されてるんです。
種籾だけを栽培している種籾農家さんが多いのも、
富山県の特徴かもしれませんね。

厳格な基準や栽培方法にのっとって育てられた種籾は、
証明書や保証書が何枚もついていて、
ちょっと厳格な雰囲気が漂っています。

でも、
簡単に言い表すと、
タネとなるわけです。

そしてこれがその種籾、
稲の種です。

そう、
秋の田んぼでよく見かける稲穂に、
たわわに実っているあの籾です。

この籾から殻を取り除くと玄米になりますし、
精米すると白米になります。
つまり食べるお米そのものが、
稲の種だったわけです。

この1粒1粒が種であり、
種まきすると芽を出し、
成長して苗となり、
田植えされて稲株が成長して、
秋になるとたわわに実るんですね~。
1粒の籾からは、
約1500粒のお米になるそうです。

米農家にとっては極当たり前の事でしょうが、
実は私自身、
その事実を知った時には結構ビックリしました。
そうだったんだ!と。

この種籾が苗になるまでの約1カ月半、
毎日休みなく続く育苗作業の行程は、
以下の通り。

1:選別
2:小分け
3:消毒
4:浸種
5:催芽
6:風乾
7:播種
8:ハウスへの苗出し
9:出芽
10:苗をならべる
11:潅水と温度管理

今日は、
最初の1:選別の様子をお伝えします!

上の写真のレトロな農機具が、
未熟な粒を選別してくれるライスグレーダーと呼ばれる選別機。

今の時代、
特にきちんと選別をしなくても大丈夫なのかな?
選別作業を省略する農家さんも多いようですが、
我が家はおまじないの意味も込めて、
毎年つづけています。

まずは、
ライスグレーダーに、

種籾を投入~。

ライスグレーダーの中に、

種籾が吸い込まれていって、

あとはこの中で、
未熟な種籾をよけて、

いい種籾だけを選別してくれる仕組み。
簡単。
なんだけど、
1人で作業していると時間がかかります。

いい種もみはこの後そのまま、
2:小分け
の工程に入りますが、
それはまた後日お伝えしますね★
今日はここまで。