10月18日の朝日新聞、
朝刊一面の見出しです。
その横には、
「所得補償値下げ圧力」という気になる見出しも・・・・。
この夏の猛暑の影響か、
全国の主な産地の大半で起きている品質低下。
例えば、
コシヒカリといえば、の、新潟は、
1等米比率が過去5年間の平均に比べて、
75%から19%(!)に下がったとか。
ものすごい下落ぶりに、
正直目が飛び出そうでした、ワタクシ。
埼玉89%→45%
福島91%→66%
そして
富山83%→59%。
1等米比率の向上を目標に米作りをしている農家も、
米作りを指導している農協も、
ビックリな数値です。
注:
等級は、水分量や形など一定の基準を満たし、
十分に成熟した粒が目視で70%以上なら1等、
60%以上2等などと決められます。
今年は暑さで、
米粒が白濁したり細ったりして等級を下げる事が多いようですが、
味にはほとんど影響がないといわれています。
濱田ファームのお米も、
白濁した粒が例年よりも多いのが事実。
これまで受験した直売用のお米は、
こだわり栽培・減農薬ともに1等でしたが、
無農薬は2等となりました。
直売ではなく出荷する場合、
1等と2等とでは農協さんや業者などの買い取り価格が違ってくるので、
農家は1等を目指して米作りをするわけです。
1等が少ない上に、
1等の買い取り価格が大幅に下落した事実も、
けっこう衝撃でした。
たまたまとある農協さんの集いに出くわしたワタクシ、
農協さんがさらりと発した1等買い取り価格の値段に、
ずっこけそうになりましたもん。
えー、いきなりそんなに暴落?!
みたいな(笑)。
うちもわずかではありますが農協さんへ出荷しているお米もあるので、
こりゃぁ、出荷なんてしている場合じゃないなと。
全量を直売する気持ちで来年以降がんばらなくいけないんじゃないかと、
かなり気持ちがゾワゾワしました。
そしたらそしたら、
そんな価格はまだかわいいもんで、
米余りが深刻な東北で特に値下がりが激しかったようで、
ちょっと、
信じられないような値段が新聞にはのっていました・・・・。
でも、
個別所得補償制度があるじゃん!
と思ったそこのあなた。
実はなんとこれも価格低下の原因だったようで・・・・。
各地で業者さんが、
その分を値切って買い取る動きが出ているんだそうです。
「制度の分は安く買い取るのは当然」と。
その噂は前々から聞いてはいたけれど、
こうして新聞1面にでかでかと報じられると、
背筋の寒い思いがします。
注;
制度は生産調整(減反)に参加した米農家のみ、
生産コストと標準的な販売価格の差額である10aあたり1万5千円を一律に払うことで、
所得を下指支えする仕組み。
難しいことはよくわかりません。
生産調整も、
私たちはやりたくないけれど、
この地域ではやらないという選択は存在しえない仕組みです。
100%直売だから減反なし、
というチョイスがないような状況です。
だから所得補償制度に参加しています。
でもこの制度もいつまで続くのか微妙だし、
生産調整も何十年も続いているけれど成果ないし、
政策に振り回されたくなくても、
ぶるんぶるん振りまわれまくっています(笑)。
だったら米以外のものを作ればいいんでしょうが、
私たちの興味がある、
日本にはなくてはならない大豆も小麦も、
それだけで生きていくのは厳しいようです。
何より、
日本人の主食の米を作っているんだ!
っていう思いもありますし。
私たちにできる事は、
日々の農作業やつぶやきをこうしてブログで情報発信して、
私たちの米作りを実感してもらい、
私たちの状況を理解してもらい、
その上で、
私たちの作ったお米だから買おう!
とお客様に選択してもらうこと。
地道な努力しかないなと、
そういう思いを新たにした記事でした。
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平成22年産・新米の直売については、
こちらをご覧下さい。